先生とは、先に生徒だった人のこと

テレビで見たアメリカのドラマ、邦題『ダニーのサクセスセラピー』シーズン3の第2話。恋愛依存症の若い女優さんが心理セラピストの治療を受ける、というシーンがありました。

 

この女優さんの恋愛依存症の要因は、いわゆる「アダルト(インナー)・チャイルド」度の深さにあり、つまり「親からの愛情を十分に与えられなくて不足を感じている」度の深さにありました。...

 

(※「アダルト・チャイルド」について詳しいことは、多くの書籍が出版されています。児童虐待、育児放棄、家庭内暴力、摂食障害、引きこもり、盗撮、依存症ー薬物、体に悪いことが明白な食事、アルコール、カフェイン、たばこ、セックス、恋愛、買い物、スマホ、仕事、ペット、子ども、孫への依存などー、自分自身や身近で起こっているさまざまな現代の出来事と大きく関係しているテーマです。私自身が入門編として役に立ったのは、『「自分のために生きていける」ということ 寂しくて、退屈な人たちへ』斉藤学著、だいわ文庫、700円+税、です。)

 

度合いの深さ、浅さに個人差はあるはずですが、どの人も誰かの子どもだったことを考えれば、皆が「アダルト・チャイルド」であって、どの人にも自分の「愛情不足だったことに対する不満足をそのまま放置してきた思い」というのが潜在的にあるのでしょう。今回のドラマの主人公は、それが恋愛依存症という形で表面化していました。「ふつうに誰かと付き合いたい」と、主人公は泣いていました。

 

ゲルソン療法の学習体験を求めていらっしゃる、多くのかたがたと長年お付き合いをしてきたなかで、”自分自身の「アダルト・チャイルド」度を自己検証して真の自分を知る”、ということが心身の治癒をスタートさせるのには重要なのではないだろうか、と強く思うようになりました。

 

真の自分と向き合い、スタートラインに立った人は、とても素直な人になります。すっきりと自立していて、相手に何かを依存する感じがなく、一緒に長い時間を過していても気持ちが良い人たちです。内なる子どもが、大人になることを決意したかのような潔さが感じられます。
それだけでなく、素直になった人は、あらゆる面での治癒がとてもよく前進するようなのです。さなぎが、蝶になるように、どんどん変わってゆきます。

 

このスタートラインに立つまでには、自分を守り、覆い隠してきた、硬い殻のようなもの、人間関係、肩書き、習慣などから、真の自分をそっと取り出し、本当の自分自身を直視しなければなりません。何に怯え、どれだけ傷つき、どのように自分を守り、隠してきたのかを見るのです。とても辛く、苦しいプロセスになることが多くあります。わが身を振り返らずにいるほうが、楽なものなのです。

 

でも、これができてスタートラインに立てたときには、もはや、それはゴールに立っているのと同じくらい、治癒が前進しているように思え、私たちゲルソン・トレーナーも安心してサポートができます。

 

じつは、このことは、患者さんに限りません。
ゲルソン療法を患者さんにお伝えする、ゲルソン・トレーナーでも、同じことが言えます。

 

ゲルソン・トレーナーも誰かの子どもだったのです。内には真の自分「アダルト・チャイルド」がいます。これを覆い隠すように、ゲルソン療法の先生という鎧を身に着けても、信頼されるトレーナーにはなれません。患者さんが自分自身で治癒の旅路を歩き始めるのをサポートし、正しく道案内をすることも難しいでしょう。患者さんが慕ってくることを無意識に利用して、自分の寂しさや不安を紛らわせ、大人のふりをしているだけなのですから。


誰かの先生であることと、先生ぶることとは違います。

先生とは、先に生徒だった人のことだと思うのです。

だから、先生はいつでも同時に生徒でもある、そう思っています。

生徒は、新しいことを学び、疑い、経験し、考え、次の新しいことをまた学んでいきます。そのプロセスを先に進めている生徒の言葉だから、後に続く生徒の心に響くのです。生徒であることを辞めたら、先生であることも終わるのかもしれません。
 

がんや慢性病の治療法としてゲルソン療法への関心が強くなると同時に、昨今はそれをお伝えする先生として認定資格を有する、ゲルソン・トレーナーにも関心を向けていただけるようになりました。

 

私たちは、ゲルソン・トレーナーを目指すかたを心から歓迎します。
そして、ほかの誰かと比べることなく、自分自身を強く信頼して、患者さんと楽しく豊かな時間を過ごせるトレーナーになっていただけるよう、力を尽くします。

 

ゲルソン・トレーナーを目指されるなら、まずは、真の自分を見つめ直し、自分自身を生徒として育て始めることです。
人の成長には時間がかかります。資格試験に受かれば、昨日は子どもでも今日は大人になる、というわけではありません。


真の自分と向き合い、素直になって、時間をかけて、経験を積み重ねましょう。
患者さんも、ご健康なかたも、トレーナーも。

ご一緒に。

Webサイト、Gerson Life〈ゲルソン・ライフ〉を運営するゲルソン・アンバサダーは、皆さまからいただいたゲルソン療法に関するサービス料の一部を米国NPOゲルソン・インスティテュートに納めています。皆さまのお力が全世界の人々にゲルソン療法を伝え続ける力になっています。皆様のご協力に心より感謝申し上げます。

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